直線で相手者が中央線をはみ出してきて、よけきれずにドアミラーどうしがぶつかった。
事故の瞬間、自車のドアミラーの部品が飛んでった。
相手は止まる気配すら見せず逃げ去った。
それでもこっちは余裕。
ドライブレコーダがあるから全然余裕。
まずは車を停めてドアミラーの状態を確認する。
前面のカバーが外れてる。
ハードな世紀末感が漂う…。
外れた部品を捜すと一部を発見。
もう使えない状態。
割れたものは仕方がない。
事故現場に20分ほどいたが、相手車が戻ってくることはなかった…。
それで警察に通報する前にいったん帰宅し(自宅はすぐそこ)、ドライブレコーダの録画を確認することにした。
撮れてた。
しっかり撮れてた。
車種、色、ナンバーまで確認できる。
それでも運転者の性別までは判別できない。
小太りな感じで男にも女にも見える。
そして録画をUSBメモリに保存し、近所の派出所に行き事故の届け出をする。
ただ、警察のパソコンで見るには手続きが必要で、もしよかったら(私の)自宅で見せて欲しいとのことなので承諾した。
派出所から自宅までは300メートルほどなので、すぐに到着。
部屋のパソコンで見てもらうと「これなら見つかると思う」とのこと。
警官が去ったあとは部屋で動画をみたり、洗濯したり、また動画をみたりで眠くなり、昼寝をしてる最中に電話が鳴る。
相手が見つかった知らせだった。
警官が相手の自宅に行き事故の確認をしたそうで。
警察に届けてから3時間ほどしかたってない。
まあ、あれだけ証拠があれば見つかるか。
相手は20歳の女で「すぐに事故現場に戻った」「いまから警察に行くところだった」と言ってるとのこと。
相手の嘘についてはどうでもいい。交通事故ではよくあることだから。
それよりも警官の歯切れの悪さが気になる。
なんだか変だな…と思いつつ、相手が連絡してくるということで警官との話は終わった。
5分もしないうちに相手から電話がきたんで出た。
が、「…、…、…」なにも喋ってこない。
なんなんだ?
なんか言えよ、と思って「あのー、どうしました?」と言うと「うー、んー」と唸ってる。
「お怪我はないですか?」と聞いても「…、…、…」。
「これからどうします?」「…、…、…」。
「任意保険入ってます?」「…、…、…」。
なんなんだコイツは?
なんで無言なんだ?
と思ってると、横から別の人が電話に出た。
「母親ですけど」
「事故はどんな感じでした?」
「警察は娘があなたの車に当たりにいった、みたいに言ってますけど」
母親の話し方を聞いて理解した。
ああ、そういうことか…。
警官の歯切れの悪さの理由はこういうことか…。
それで「大変失礼ですが日本人ですか?」と尋ねると「私は韓国人です」「娘は日本国籍です」との答え。
娘は半年前に免許を取得し、任意保険は入ってないとのこと。
ここで慌てたり、ましてや怒ったりしても埒が明かない。
努めて冷静に事を運んで、なんとか部品代をもらって示談という流れでいこう。
「本当に娘が悪いのか確かめたいので、ドライブレコーダ見せてもらえますか?」
「それを見てからでないと、なんともできない」
「ええ。それでは動画をメールで送りますんで、メールアドレス教えていただけますか?」「見たらわかりますよ」
と言ったら母親は言葉に詰まった。
どうやら観念したようだ。
それで「修理代は現金で払います」と言ってきた。
「ドアミラーは約3万円ほどなんですが、こっちの車も動いてたんで半分の15,000円でいいですよ」
「今日中に振り込みます」
「そちらの車の修理なんですが…」
「ちょっとキズがついただけなんで大丈夫です」
「それでは振り込みが確認できたら示談ということでお願いします」
なんだか電話の向こうで親子が喜んでる。
その程度の金で済んでよかったと思ってるのかもしれない。
電話しながら楽天市場で中古ドアミラーの物色をしてたら、3,000円程度で売ってるのを確認してたんで、こっちは15,000円もらえたら十分だ。
銀行振込先を伝える際はかなり手間取ったが、それは割愛ということで。
電話を終えて時計を見ると、時間はすでに午後2時半を回ってる。
今日中に振り込むといってたが大丈夫か?
電話を終えて10分くらいすると相手から電話がかかる。
コンビニATMの前からだそうで、振り込みに手間取ってるそうで…。
まあ、ここも割愛しとこう。
無事に振り込まれたしね。
空いてるところはテープでふさいでる。
部品が届くまでは、この状態。