『そんなに違うものなのですね。
どんな感じでちがうのですか?
受け取る方としては佐川の方が配達する人も時間指定もかなりゆる
フーテンどんぐり氏から以上の質問を頂きましたので、せんえつながらお答えさせていただきます。
あくまで自分が稼働したことのある現場での話になります。
朝の開始時間が佐川急便のほうが2時間ほど早いので、あとがラクになります。
朝7時にセンターに入るとして、荷物を積み込んで出発するのは8時半くらいになり、荷量が130個程度なら、昼間に3~4時間は空き時間ができます。
ヤマト運輸は朝9時頃にセンターに入り、出発するのは10時半くらいです。
ヤマト運輸のほうが佐川急便よりも遅くまで寝ていられるというのはありますが、午前中は在宅率が高いので、宅配仕事にとって朝の2時間の差はとても大きいです。
なぜヤマト運輸は9時からかというと、各センターが狭く、社員ドライバーのトラックが出てからでないと委託ドライバーの積み込みをするスペースがないからです。
荷物の質に関してはヤマト運輸は大きい荷物、重い荷物が多く、佐川急便は小さい荷物が中心です。
大きい荷物というのは片手で持ちにくい、持てない荷物、小さい荷物は封筒型や片手で持てる荷物です。
以前のヤマト運輸では小さい荷物中心でしたが、方針の変更によりそれが激減しました。
ヤマト運輸なら60個程度で荷室がいっぱいになることも多く、佐川急便なら100個積んでも荷室に余裕があったりします。
悪いことにヤマト運輸の荷物は大きい上に箱が弱いものが大半(8割程度)で、アマゾンやZOZOの箱はとくに弱く、ちょっとしたことで変形したり破れたり、湿気でつぶれたりします。
不在ならその大きい荷物が荷室にたまり占領していくので、とても邪魔になります。
多くの受取人が理解してない可能性がありますが、不在なら不在の間中、荷物の外箱はドンドン傷んでいきます。
ヤマト運輸の逆で佐川急便の荷物はしっかりした箱が大半(9割程度)で、精神的にも肉体的にもラクです。
大きい荷物も小さい荷物も受け取る報酬は同額なので、受取人には失礼ですが、委託ドライバーからすれば大きい荷物は遠慮したいです。
ヤマト運輸では「ネコポス」なる、郵便受けに入れる封筒型の荷物があります。
「荷物」といっても、通常の荷物の報酬額は1個¥160~176円程度ですが、「ネコポス」の場合、1個¥50円ととても低い報酬額になってます。
以前は委託ドライバーが扱うことはほとんどなかったのですが(1日2~3個程度)、現在はかなりの数を扱う現場もあり、少ない現場で20個程度、多い現場では1日120個ほど配ったこともあります。
「ポストに入れるだけだろ?」と思われるかもしれないですが、多くの委託ドライバーがヤマト運輸を敬遠する理由になってます。
あまりに報酬額が低いので、自分は「ネコポス」を1日の配完数に計算しないです。
佐川急便や日本郵政でも封筒型の荷物はかなり多いですが、通常の荷物と同じ報酬額なので、そういう現場では自分にとっては、すべて封筒型荷物が理想です。
ヤマト運輸の委託ドライバーは代引き荷物を扱いませんが、佐川急便では扱います。
1日15~20件程度ありますがたいした労力ではなく、代引き荷物の受取人は在宅率が高めな場合が多いです。
配達エリアに関しては「以前ならヤマト運輸は狭く、佐川急便は広い」という状態でしたが、現時点ではヤマト運輸のエリアが拡大し、佐川急便よりも広くなってます。
エリアが狭ければ狭いほど道を覚える労力、走行距離(燃料費)が少なくなり、配れる数は増えるので有利です。
時間指定の数は日によって違うのですが、会社が多いエリアは、少し午前指定が多めだと思います。
エリアは当たり外れがあるので選べるなら、35年ほど前にできた古めの新興住宅地などが在宅率も高くいいかもしれないです。
午前指定のゆるさに関しては、委託ドライバーによるのでなんともいえないです…。
「午前中にいかなければならない」という考えの委託ドライバーもいますし、自分のように「午前中は在宅してる」という考えの委託ドライバーもいます。
それであえて午前指定を後回しにする場合も多く、その場合受取人からすれば、午前指定にしてなければもっと早く荷物を受け取れるという状況になる場合もあります。
受取人にも工夫が必要といえるのかもしれないですね。
所長や社員に関しては、ヤマト運輸の場合、センターによってまったく違います。
たいていの場合、所長がよかったら社員の人もいい感じだと思います。
佐川急便は、どこもあまり変わりなく、悪い印象はないです。
大きいセンターよりも小さいセンターのほうが、委託ドライバーにとっては気楽だと思います。
ヤマト運輸と佐川急便の最大の違いは、経営方針、社風だと思います。
ヤマト運輸は「昨日言ってたことが、今日になると逆になってる」「現場にとっては一週間先も見えない」という日替わり方針が特徴で、思いつきかのごとく、コロコロと変わります。
良くいえば柔軟、普通にいえば場当たり。
その日の朝に「今日から変更」と通達されるのは当たり前になってます。
経営陣にとっては委託ドライバーのことなど、まったく眼中にないのが現場にいるとよくわかります。
人間とは思ってない節があります。
委託ドライバーにとっては安心感、安定感がまったくないので、ヤマト運輸を信用してる委託ドライバーは、自分の知る限りひとりもいないです。
佐川急便は「これ」と決めたら年間を通して変えることは、まずありません。
委託ドライバーのことも、ヤマト運輸と比べると大事にします。
それでヤマト運輸に嫌気がさした委託ドライバーは、佐川急便に行きたがるようになる場合がありますが、現状おいしいエリアは古株の委託ドライバーが占めてることが多いかと。
以上のことからも、本気で週5で宅配仕事をしたい委託ドライバーは、現時点では佐川急便を第一希望にしたほうがいいと思います。
ただし、おいしいエリアに入れるとは限らないことを覚悟しておく必要があるかと。